日本を元気にするコンテンツ総合戦略60億円の負の遺産:ALL NIPPON ENERTAIMENT WORKS4年間の杜撰な経営実態と公的資金投資評価

設立から4年、投資決定時の将来見通しは破綻

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「日本を元気にするコンテンツ総合戦略」として経済産業省が企画し、2011年に産業革新機構が設立した株式会社ALL NIPPON ENTERTAINMENT WORKS(ANEW)には、4年以上が経つ今も映画は1本も存在していない。そして投資決定時にあった「設立3年で継続的な利益を生む」という将来見通しは乖離どころか、もはや破綻状態にある。

国民財産の投資を適切に行うための担保となる法律、第三者機関の公平性、独立性は形骸化し、関係者が利益相反で行っている公的資金運用のルールを無視した経営体制は、天下り監督官庁の経済産業省によって「適切な投資」と承認されている。これは起こるべくして起きている公的資金60億円の毀損であり、クールジャパン政策における国レベルの腐敗を映し出している。

 

2012_ANEW_2(2012年知的財産推進計画より)

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なぜクールジャパンの思い込み施策と税金の無駄は繰り返されるのか?:経産省平成27年度補正予算67億円と日本IP海外展開についての正しい知識

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日本政府は2018年までにコンテンツ輸出を3倍にする計画を立てている。しかし「日本はすごい、あとは売り方の問題」というクールジャパン施策の思い込みは適切な映画産業支援への思考を蝕んでいる。一方で「人」を育むことを無視し続ける「思い込み戦略」に付き合わされる日本のクリエイティブ産業はたまったものではない。

平成27年12月18日、経済産業省は平成27年度補正予算案を発表した。その中でメディアコンテンツ課は「地域コンテンツ海外流基盤整備事業」に66億9000万円を計上している。この事業は平成24年の補正予算以降にこれまで215億円を費やしてきたプロモーション、ローカライズ支援事業(J-LOP)に加え、権利許諾を円滑化するための権利情報データベースを作ることを目的としている。

またこれを報じた米ヴァラエティ紙によると、複数の企業からなる製作委員会制度によって複雑化している権利者情報を海外バイヤーに対して明確に示すとしている。

データベース整備があれば日本の知的財産に突如高値が付いたり、頻繁な取引が促され、コンテンツ輸出が促進されると信じ込む思考法、これは日本の政府会議室だけに通用する独自のの「思い込み」である。この「思い込み」は専門性や適切な分析も欠き、問題の解決策のためにデザインされていない。さらに「思い込み」が作る法外な税金の不必要な事業は、しばしば天下りの温床になっている。

世界最大のデータベースは既に存在

果たして年間何人の海外バイヤーがこう言った情報を欲しているのか?そして日本の権利者情報は本当に取得が困難な場合の方が多いのか?そして日本独自の権利データベースは本当に知的財産の活用における問題の解決策なのか?

そもそも映画、TV番組、アニメ、ゲームを網羅する世界最大のデータベースは存在している。データベースの問題は巨額の税金を使わなくともアマゾン子会社のインターネットムービーデータベース(IMDB)を利用することで簡単に解決することができる。

IMDBとは世界の産業プロフェッショナルの常識となっている情報ツールであり、過去の作品から、現在企画開発中の作品の製作会社、プロデューサー、監督から俳優、クルーのビジネスコンタクトを入手することができる。またタイトルによる検索だけでなく、製作国「Japan」を選択することで、日本製作作品に絞って調べることも可能である。

もし日本の著作者が海外バイヤーに権利者情報を知って貰いたいのであれば、当事者自身で最新の情報に更新すればいいだけである。有料サービスであるIMDB Proの料金は月額14.99ドルか年間149.99ドルである。また30日間の無料体験も設けている。こうした産業に関わる人が知る当たり前の民間努力で、経済産業省の億単位の事業の問題は解決することができる。

また海外マーケットにおいてはCINANDOというデータベースがあり、作品やバイヤーの参加スケジュールやコンタクトのほか、オンラインで試写やアポイントまでとることができる。 なぜクールジャパンの思い込み施策と税金の無駄は繰り返されるのか?:経産省平成27年度補正予算67億円と日本IP海外展開についての正しい知識 の続きを読む