ホテルチェルシー脚本執筆エピソード:チェルシーホテル歴史とシェイクスピア

本日でホテルチェルシーの劇場公開が終了しました。ご来場頂いた皆様にあらためて感謝致します。ここで脚本執筆のエピソードを紹介したいと思います。今回「ホテルチェルシー」の脚本に影響を受けた要素にはチェルシーホテルの歴史とシェイクスピアがあります。

私はニューヨークの大学在学中に舞台学科を先攻し多くのシェイクスピアの物語に触れる機会がありました。シェイクスピアの劇が約400年たった現代まで世界各国で愛されている理由としては時代にとらわれない人間に共通する感性を題材にしている点があります。今回のホテルチェルシーが影響を受けた点では「人間の恋愛におこる嫉妬」と「登場人物を間違って認識することで起こる錯覚」(Mistaken Identity)があります。

ホテルチェルシーでは恋愛にまつわる2つの三角関係から容疑者があらゆる角度に派生するように描かれています。また、映画に出てくる登場人物が、現実には全く違ったアイデンティティであることが判明し、この錯覚が物語のクライマックスを大きく左右します。シェイクスピアの劇では頻繁にこれらの要素が使用されています。

言い換えれば400年愛されている人間の心理をついた要素を現代に応用する事で、多くの方に気に入って頂ける作品にしようと考えました。

さらに、登場人物の基本設定に影響を与えたもう一つの要因はチェルシーホテルの歴史にもありました。チェルシーホテルでは実際に殺人事件や滞在者の自殺などもおこっています。有名なものに、セックスピストルズのシド・ヴィシャスが恋人のナンシーを殺したとされる事件も起きています。こうした事から、チェルシーホテルで起きる密室殺人事件の設定を思いつき、多くの方に受け入れられるのではないかと考えました。

あとは、8日間の撮影日数や製作での制限を考慮し、最大限できる事を考え脚本を仕上げました。視覚的な場所を移動するのではなく、時系列のない断片的な証言で、見て頂く方の心理や頭の中を物語が移動することでサスペンスを生み出そうと試みました。

この映画を機にシェイクスピアやチェルシーホテルの歴史を触れていただくことで、また違った映画の楽しみ方ができるかもしれません。

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