インディペンデント映画の将来

昨年、今年とはいり日本でインディペンデント系と呼ばれる配給会社の倒産が続いています。CD、DVD不況など映画業界では既存のビジネスモデルが崩れ、製作会社、配給会社を含め大きな変換期を迎えています。

私自身インディペンデント系映画製作者として、この衰退は日本の映画産業全体に影響をあたえる事態だと認識しています。インディペンデント系映画がビジネス的に成り立たなくなれば、若い俳優、監督、脚本家、他全ての映画製作者の新しい活動の場とチャンスがなくなることにつながります。

アメリカの映画産業で8年過ごして気づいたことは、アメリカではインディペンデント系映画が商業的に成り立つ環境、また製作者が挑戦する環境が整っていることがあげられます。こうした環境からアメリカでは優秀な映画製作者達が育ち、広く言えばアメリカの映画産業の繁栄へとつながっています。

先日話題になった「パラノーマルアクティビティ」などの「アメリカンドリーム」的な成功が起こるものこうした環境によるものです。もしこれが日本で同じ作品を作った場合、メジャー配給で劇場公開に至る事はあり得ないことだとおもいます。

なぜアメリカでは産業的に成り立っているかと言うと、やはりアメリカでは「映画を劇場で観る文化」が根付いているからです。ニューヨークでは週末の劇場はどこも一杯になります。手頃な劇場チケットの価格設定もありますが、映画館に行くことが日本より数段身近にあります。もちろんDVD産業は新メディアの対等でアメリカでも30%ほどの落ち込みはありますが、やはり市場の規模が大きいのでインディペンデントの工夫と思考で商業的になりたつ映画を作る環境は日本より数段上になります。

また私自身日本の映画製作者として立ち返らなければ行けない点もあると思います。映画製作も製品製作も共通していて「顧客主義」に立ち返って製作しなければならない点です。映画の場合顧客は映画を見て頂く観客になるわけで、いかに観客が期待するエンターテーメントを提供するかを最重要に映画を作らなければならない時代に来ていると思います。

しばしば日本では製作者の都合や利害関係でつくられ、見て頂く観客のことを考えていない場合があります。観客が1800円を払って観る価値を見いだしてもらえない映画で劇場に観客を集める事はできません。

プロデューサー「ジェームズ・キャメロン」が大ヒット作を出す理由は常に観客の期待の先に行く企画を提供している点にあると思います。「アバター」はやはり劇場で見る価値が多いに存在する作品だと思います。私はアバターの宣伝を初めて見た時、危険なかけのように見えました。まず定着していない3D映画への挑戦、そして人間でないキャラクターへの感情移入ができるかと言う点でした。もちろん既存にないものに最初に挑戦する時には常にリスクはつきものです。しかし、半信半疑で劇場で見た時、圧倒されたのを覚えています。3Dは色彩面でまだ発展途上だと感じましたが、やはり「かつてない作品」の迫力と、青い生物への感情移入が自然と感じられ素晴らしいと感じました。後日あたらめて2D版も見に劇場にいきました。

もちろん膨大な制作費があったからこと実現した作品ですが、成功の根本はジェームス自身もそうだったインディペンデント映画製作者の精神と、新しい事への挑戦と工夫、観客の反応を最大限に考えた作品製作への誠意が成功へとつながったのだと思います。

映画「ホテルチェルシー」の74分が見て頂く観客の皆様にとってどのような経験になるかは正直わかりません。しかしハリウッドでも採用されている最新のデジタルシネマ機器を駆使し、深い映像美を実現しました。また、アメリカのクルー、キャストを含め誠意を持って製作した映画ですので楽しんで頂ければと願っています。

私の映画に関わらず映画産業全体の支えは映画館に足を運んで頂く一人一人の観客の皆様になります。ぜひ映画館に足を運んで、映画を鑑賞していただければと思います。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中